忘れられた
小さな国
の物語
ひと時の安らぎを与えられたら。。。
南アルプス山脈の雪解け水が流れるどんぐり山には、
ゲンゴロウ川が流れ、そのほとりには
今なおブナの木の生い茂る小さなかっぱの国がありました。
そこではみんなが平等に、それぞれが役割を分担しながら、
仲良く平和に暮らしています。
お父さんかっぱやお母さんかっぱ達が忙しく働くなか、
子がっぱ達は山や川や湖や沼に住むたくさんの友達と
楽しく遊んですごします。
そんなかっぱの国のたわいもないお話
5がっぱの名前の由来
僕ら5がっぱは、毎日色んな出会いをして、
色んな体験をして、泣いたり・笑ったり・怒ったり・落ち込んだり,
飛び上がらんばかりの大喜びする日々を送っている。
僕ら5がっぱがそんな風にはつらつと生活できる世界を
大がっぱとちぃがっぱが大切に作り上げてくれているからなんだぁ。
何にでも興味を持って、自分の気持ち正直にぶつけていく
大がっぱとちぃがっぱは、いつだって向き合ったもの・人・動物
を慈しんでとても素敵で・・・だから大好きなんだ。
そんな大がっぱとちぃがっぱの大好きな物・・・。
2人の大事にしている心のよりどころとなっているものから、
僕ら5がっぱは名前とつけてもらった。
★僕は空(そら)
5がっぱの中では、1番身体が大きいんだ。そして1番の力持ち。
だけど、ちょっとしたことで、喉が痛くなっちゃったり、お腹こわしちゃったり、熱を出しちゃったりして、
ちぃがっぱからは身体が弱いとレッテルを貼られてしまっている・・・これが悔しいんだー。
でも、身体が大きくて、力持ちな僕が皆を、大事なものを、絶対守る!って、決めてるんだ。
★僕は風(ふぅ)
どっちかって言うと、小さなことは気にしない。
ゆったり構えて、下を向かず、皆で一緒に前をむいて歩いていけば、
何とかなるって思ってる。
おおらかと言ってほしいんだけど、ちぃがっぱは、
大雑把で、いい加減って僕をイジルるんだ。
これは、どうも大がっぱも同じみたいでいつも一緒に、
ブイブイ言われてる・・・ねぇ、大がっぱ、心外だよね。。。
僕、風は、皆の周りを心地よく通り過ぎていく風でいたいんだぁ。。。
★僕は陽(よぅ)
5がっぱの中では、ピカいちの明るい性格。
皆が笑っているのを見るのが大好き。でもさ、
笑っていることができないことも、苦しいことも日々沢山遭遇する・・・。
そんな時こそ、何も役に立たないかもしれないけど、
傍にいて、あったかく包みこんであげたいといつも思ってるんだぁ。。。
★僕は岳(がく)
僕は、5がっぱの中ではおっとり・のほほん・おとなしいタイプ。
だけど、気持ちだけは、誰にも負けないくらい熱いし、
誰をも優しく見守りたいと思ってる。
自己表現もあまり上手くないけど、そんな僕を皆は十分理解してくれていて、
頼ってくれることがすっごく嬉しいんだ。。。
あとね、これまでうまく人を頼ったり甘えたりするのも大の苦手だったんだけど、
大がっぱやちぃがっぱと生活をするうちに、気負わずに
自分を出せるようになってきて、
自分もそんなふうに人を癒せる力を持てるようになりたいと思ってるんだ。
★僕は走(そう)
5がっぱ中、1番の運動神経の持ち主。
大がっぱも空手や、フットサルや、ツーリング、マラソンなど
何のスポーツも器用にこなすけど、僕だって、負けていません。
水の中なんて大がっぱよりスーイスイ、当たり前かぁ・・・。
でも、陸の上だって、頑張ってるよ、マラソン!
だけど、ちぃがっぱはホントに運動音痴で、
朝霧高原のフェスで、大縄跳びに挑戦した時には、
何度やっても、縄に引っ掛かって飛べず、すごく凹んでたよなぁ・・・。
穴があったら、はいりたいって、そういえば、言ってたっけ・・・。
そんな運痴のちぃがっぱも、マラソンはその頃、けっこう早かった・・・。
走るサークルのメンバーにホイホイのせられて、かなり努力の走りこみをしたんだ
と推測される・・・(ちぃがっぱのことだからねぇ・・)
そして、話はさらに遡るけど。
大がっぱとちぃがっぱがそろってマラソン大会に参加した時、
僕ら5がっぱと出会う少し前らしい・・が。
アップルマラソンゴール直前のこと。ちぃがっぱが先に走っていて、
それを後方で見つけた大がっぱは、ひたひた後ろについて走り、
ゴール手前で、姑息にも、「ヘ~イ!」ちぃがっぱをいきなり追いぬき
先にゴールを決めたらしい・・・。
小っさすぎる!!とちぃがっぱは大あきれだったそうな。
そして、もうひとつ。
「小っさすぎる」大っきな大がっぱには、ちぃがっぱに物申したい出来事があった。。。
いつもちぃがっぱから「小っさ~」と言われてしまうおおがっぱだけど、
ちぃがっぱもなかなかの小っささを発揮している。
この小っささはちぃがっぱの負けず嫌いから発揮されたものなんだろうけどね・・・。
この日は、猿橋から左へ逸れて、大がっぱが気になった小道をどんどん進んでいった。
どんなところに行くんだろうって、大がっぱもちぃがっぱもワクワクしながら、
初めて見る景色を楽しんでいた。
山間の小さな集落に集会場みたいな雰囲気の建物を発見。
裏には小川がながれていて、サラサラと水の流れる音がとても心地よくて、
水しぶきがキラキラだったなぁ・・・
発見したその建物には、卓球台がおかれていた。
そして、建物には張り紙があって、「ご自由にお使いください」って書いてあった。
さっそく大がっぱとちぃがっぱの卓球バトルが始まったんだけど、
こういう場合、器用にソツない大がっぱが優勢となることは、
僕ら5がっぱには当たり前だったし、多分、ちぃがっぱ自身も
そんなことは百も承知の上だったろうに・・・。
負けても負けても、卓球の球を追いかけては、
サーブするちぃがっぱ・・・。僕ら5がっぱは「こりゃ大変だぁ」と
大がっぱに同情しつつ、裏の小川でプカプカ日光浴を楽しんでた。
すると、繰り返しつづけるもんだよねぇ・・・ちぃがっぱが勝った!
と、次の瞬間。
勝利するやいなや、ちぃがっぱはパンとラケットを卓球台に置き、
勝手にゲームをおしまいにしてしまった。
あっけとあきれ顔の大がっぱ。
僕ら5がっぱは、ちぃがっぱから聞いていたあのマラソン大会のゴール前の
大がっぱの抜き去り事件を咄嗟に思い出してた。
大がっぱとちぃがっぱは「することなすことそっくりだよなぁ・・・」
僕ら5がっぱから見ると、どっちもどっち・・・ホント笑っちゃうね。
でも、僕ら5がっぱは知ってる・・・
あの勝利は大がっぱが手をわざと抜いたからで・・・
ホントに勝てたわけではなさそうだとちぃがっぱが思ってること。。。
本当はどうだったんだろうねぇ・・・
もとい。話がいったりきたりしてしまったけど、
僕ら5がっぱが大がっぱとちぃがっぱと出会うずっと前、
2人の出会いのきっかけはホノルルマラソンだったんだって・・・。
ちぃがっぱは僕ら5がっぱによく話すんだ・・・。
大がっぱと一緒の時を過ごしたいって思う限り、ほんの少ししか走れなくても、
どんなに遅くても、出会うきっかけになったマラソンは、
大がっぱとの時間を色褪せさせないために走り続けるんだって・・・。
だから、僕の走って言う名前、僕の中では、自慢なんだ・・・。